2006/03/01

すずめのかくれんぼ

今日は 一日中 雨。


そばにある空き地には 腰の丈ほどの草が生えていて

枯れて薄茶色になって倒れている。


3月になって 

あたたかい春が すぐそこまでやってきているといっても

雨は やはり冷たい。



さわさわ さわさわ 降り続ける雨の中


  チュルン チュルン

  チチチチ チュン チュルン

  チュルチュル チュルン チュン


すずめたちの声がきこえてくる。



  チュン チュン  チチチ

  チュルン チュチュン




見ると 10羽ほどの すずめたちが

空き地に降りてきている。



  ピョコ ピョコ   チョン チョン

  トトトト  ピョコン


みんな 倒れた草の中をくぐって


あっちへ  ピョコ ピョコ

こっちに  チョン ピョコン と



まるで 鬼ごっこか かくれんぼをしているかのように


時には 低くはねて羽ばたいたり

草のトンネルをくぐりぬけて 走ってみたりしている。



春とはいえ まだ冷たい雨の中


すずめたちは  チュルン チュルン  楽しそうに騒いでいる。



人間の私には どんどん 冷たさがしみてくるのだが・・・。





あまりに楽しそうな声につられて すずめたちに 見とれていたら

風邪をひいてしまいそうだ。





そういえば、幼い頃 友達と

時間がたつのも忘れ

雨が降り出したのも気にせず 

まだ かくれんぼをして 遊んでいたことを おもいだした。



なつかしい時間の流れに

しばらくの間 身をまかせてみる。



あのころ遊んだみんなは いまごろ どうしているだろうか。




目を閉じると

枯れ草のような 淡いセピア色の 懐かしい路地の風景が 浮かんでくる。


降り始めた雨が 土をぬらす匂いも 

かすかだが 漂ってくるような気がする。




そんな 楽しく 懐かしい思い出とともに

私は 今 ここに生きている。



確かに 生きている。 



雨はまだ 降り続けている。

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